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ライターというお仕事  その2   2002/11/27

 この不況・就職難の中で、面倒な就職活動なんかせずに「フリーライター」で食っていこう…などと大それた考えを持っている若い方もいるかもしれません。
 「その1」で書いたように、ライターになるのは至って簡単です。名刺を作ってその肩書きに「フリーライター」とでも入れておけばいいのですから…
 いや冗談ではなく、「フリーライター」という肩書きのある名刺を作って、行きつけの飲み屋で会う人会う人に名刺を配り、そのうちに本当にライターの仕事が来るようになった…という人を知っています。ライターになりたいと思ったらまず名刺を作る…、これは必須です(笑)
 冗談はさておき、やはり普通は名刺を作っただけでは仕事は来ません。では、どのようにしたら「ライターで食べて行ける」のでしょうか?
 どんな分野のライターになりたいのか…目指すジャンルによってライターへの道は多少異なります。前項で書いたように、ライターは大きく分けて「ノンフィクション系」「専門分野系」「バラエィ系」の3種があります(勝手な分類です)。私はノンフィクションは過去に1冊しか書いたことがなく、この分野に関して詳しくありません。そこで、主に「専門分野系」「バラエティ系」について、「仕事の取り方」を書いてみましょう。


■ライターになるための資質と条件

 「ライターの資質」なんてものはありません。とりあえず日本語が書ければ、誰でもライターになれます。  確かに「文章が書けること」が最も重要な能力・条件となりますし、まともな文章のかけない人はライターになれない…という部分もあります。…とは言っても「まともな文章」とは何か?…という問題が残ります。最近では「国語的、文的的に正しい文章」だけが「まともな」文章ではありません。それどころか、「国語的、文法的に正しい文章」というものの概念すら変化しつつあります。
 結局は、世の中に受け入れられる文章…が書ければばよいわけです。特に「バラエティ系雑誌」などでは、文章の文法的正しさやロジカルさよりも、面白さやノリの良さなどが優先される場合も多く、特にその媒体や記事がターゲットとする世代からの受容度が問題になります。
 ただし…、例え「ノリ」を前提とする口語系の文体であっても、やはり「意味が通る」文章であることは必要ですが…。ところで、文章というヤツはいくら練習しても上達するものではありません。…というよりも、いい年をして誰かが添削しながら教えてくれるわけでもないし、まあ、自分で書いた文章を誰かに読んで評価してもらうぐらいのことはした方が良いかもしれません。
 まあ、こうしていろいろと総合して考えると、「良い文章が書ける」なんて曖昧な資質よりも、「書くことが好き」というのが、ライターにとってもっとも重要な資質かもしれません。

 次に「知識」の問題があります。例えばパソコンやデジタルガジェット系雑誌のライターを志望しているのに、パソコン関連の知識がないというのでは話になりません。何か自分の「得意分野」「専門分野」があった方が、ライターになりやすいことは確かです。
 むろん何か得意分野がないとライターになれないか…というとそうではりません。「取材」を前提とする記事を書くライターならば、特に専門分野は不要です。ただし、こうした「何でも書けるライター」になる道は、意外と狭いのが実情です。
 また、ライターにもよりますが「取材」が前提になる記事を書きたい人は、「コミュニケーション能力」もあった方がよいかもしれません。ただし、私のケースでは、ライターの仕事の中で取材が必要になるケースは、それほど多くはありません。

 その他条件と言えば、「その1」で述べたように、基本的に入稿はデータで行われます。…ということは、手書き文章ではマズいわけで、ワープロソフトが使えることが必須条件になります。また、打ち合わせや入稿はメールでやり取りされることも多く、その意味ではインターネット接続環境も必要です。
 もし、あなたがライター志望で、まだパソコンを持っていないのならば、早速パソコンを購入してください。これは最低限必要な投資ですね。ネットカフェでも原稿を書くことは可能でしょうが、やはり自前のパソコンとインターネット接続環境を持つべきです。

■仕事の取り方

 さて、「フリーライター」の名刺を作ったら、次は仕事を取らなければなりません。
 特に営業活動をしなくても、たまたま編集者から声を掛けられてライターの途に踏み込んだ…という人もいるかもしれません。名刺を作ってバラ撒くだけで仕事が来た人もいるででしょう。しかし一般的には、やはり「営業」をしなければ仕事は取れません。  では誰に対して営業をするか…というと、要するにライターに対して仕事を発注している出版社や編集プロダクションに対して営業するわけです。編集プロダクションの場合、どのプロダクションがどんな仕事をしているのかわかりにくい部分があります。ここはやはり、出版社に対して売り込みをかけてみるのが正攻法です。
 出版社に対して営業する…とは言っても、就職を希望するのとは違いますからいきなり総務部へ行っても無意味です。例えば雑誌のライターを志望しているのなら、自分が書いてみたい雑誌の編集部に対して営業するのです。ライターの採用権限というのは、一般的に現場の編集者にあります。

■意外と多い「ライター募集」

 雑誌の末尾(奥付け)あたりに、「編集部からのお知らせ」として、「ライターを募集しています」と書かれていることがよくあります。また、Webサイトを持っている雑誌の場合、サイトに「ライター募集のお知らせ」があることも多いようです。私がよく書いているパソコン雑誌や携帯電話系雑誌などは、常時複数の雑誌がライターを募集しています。また、バラエティ系雑誌や各種専門誌なども、わりと頻繁にライターを募集しているようです。こうした募集に応募するのが、最も手っ取り早い仕事を確保するためのアプローチ方法です。
 Webサイトを持っている雑誌なら、必ず連絡先のメールアドレスが書いてありますから、そこに自分がライターをやりたい旨のメールを送ればよいのです。先方から返信があり、面接の日時を指定されるはずです。
 ともかく自分が興味を持っている分野、専門知識を持っている分野の雑誌が、ライターを募集しているかどうかを確かめてみましょう。

■直接売り込む

 「何でもいいから仕事を下さい」と、直接雑誌の編集部などを訪問するのも、1つの方法です。私自身はこうした売り込みというのをやったことがないのですが、知人の編集者に聞いたところ、なんのコネもなく売り込みに来た人間をライターとして採用することは、時々あるそうです。
 自分が書いてみたいと思う雑誌の編集部に連絡してアポを取り付けて面接してもらうのですが、時間さえあれば編集部の誰かが会ってくれる確率が高いと思います。たまたまその雑誌で人手が足りないような状況にあればなおさらです。初めて編集部を訪問して即決…といった話も聞いたことがあります。ただし、こうした方法は「実績があるライター」向けであり、何の実績もない人間にいきなり原稿を書かせてくれる…という例は、少ないでしょう。

■コネを活用する

 ライターとしての仕事を得るための最も確実な方法が、「コネ」を使うことです。最大のコネは編集者でしょう。ともかくたいていの編集者は、独断でライターを決定する権限を持っています。
 知人に雑誌の編集者がいれば、その人に仕事の紹介を頼むのが一番です。また自分で編集者の知り合いがいなくても、知人や友人に編集者を紹介してもらうのも1つの手です。
 あなたにライターとしての経験が一度も無くても、仕事をやらせてくれる可能性は十分あります。正直に経験がないけれどライターを志望しているということを離しましょう。編集者と飲みながら、ともかく「何か書いてみるか?」なんて言われればしめたもの。よい編集者に当たれば、あなたが一人前のライターになれるように手取り足取り教えてくれることだってあります。

■編集者になる

 ライターになるために、いったん「編集者」になる方法もあります。まず、出版社に入社するか、または編集プロダクションに入社する方法です。非常に遠回しな方法ですが、結構確実な方法です。私の周囲にも編集者出身のライターは多く、知人の編集者が退職してフリーになると、かなりの確率でライターの仕事を受託します。
 もしあなたが就職活動をしている学生で、将来ライターになってみたいと思っていたら、最初に出版社を志望するのです。また、新卒ではなく年もとっている…という場合、編集プロダクションへの就職を狙ってもよいでしょう。
 編集者出身のライターは、業界内で有利な立場にあります。やはり、出版のプロセスや編集現場の実情を知っていること…が優位な理由です。つまり、あまり編集者に負担をかけない形で原稿を書く方法を知っています。また編集者というのは、ライターの書いてきた原稿を修正する仕事のウェイトが大きいので、文章を書くことが下手ではなかなか務まりません。

■編集アシスタントになる

 編集者にならなくとも「編集アシスタント」になる方法があります。つまり、自分が書きたいと思っている雑誌の編集部がライターを募集していなくとも、アルバイトやアシスタントを募集しているケースがあります。あなたが学生であれば、こうしたアルバイトに応募するのも1つの方法です。
 雑誌編集のアシスタントなんてのは、要するに「使いっ走り」です。コキ使われることは必須です。しかし、アシスタントの立場とは言え、編集現場の実情を経験的に知ることができるのは、ライター志望者には大きなメリットです。また、アシスタントをしながら、「オマエちょっと書いてみないか?」と言われて、ライターの仕事をやるようになった…なんて例も聞きます。就職難の折、まずはアルバイトでもしながらライターへの道を目指すのもよいかもしれません

■投稿する

 ライターになるために、「せっせと投稿する」という手もあります。実際に投稿者出身のライターって、意外と多いのです。  雑誌の種類にもよりますが、投稿欄を重視している雑誌は非常に多いですね。要するに読者コミュニケーションの手段として投稿欄を拡充していこうという方針の雑誌はけっこうあるのです。
 こうした雑誌の投稿欄にせっせと投稿していると、必ず編集者の目に付きます。これがきっかけで編集部から声が掛って、ライターの仕事を依頼されることがあります。また、編集部の方からこえがかからなくても、ある程度投稿実績を積んだところで、自分から売り込みに行くという手もあります。全くの知らない人よりは、親身になって相手をしてくれる可能性が高いと思います。

■Webサイトを作る

 「Webサイト」も営業手段になるかもしれません。1日数万アクセスなんて有名なサイトの管理人などをやっていると、それがつまらないエロサイトでもない限り、たいてい取材や原稿依頼が来ます。もし何か趣味の分野でのコンテンツを持っているか、さもなくば根気よくニュースサイトでも作り続けることができれば、それがきっかけでマスコミデビューなんて話もあるかもしれません。
 ところで私は、この「WS30の世界」というサイトを開設して2年近くになりますが、この間「サイトを見た」ということで2件ほど雑誌の原稿依頼がありました。私は、別にそんなことを目的にサイトを開設しているわけではありませんし、アクセス数も少ないサイトですが、それでも仕事のきっかけぐらいにはなる…ということがわかりました。

■食べていくためにはどの程度の仕事量が必要か?

 まあこれは、人それぞれ必要とする生活水準が違いますから何とも言えない部分です。
 何かの雑誌に原稿を書くとして、その原稿料がページ2万円の場合、20万円を稼ぐためには、毎月10ページの原稿を書かなくてはなりません。でも、実績のないライターが毎月10ページの仕事を確保するのは至難でしょうし、また2万円と言うページ単価も、なかなか出ないかもしれません。となると、20ページぐらい書かないと20万円は稼げないわけです。しかし、一口に「20ページ書く」とは言っても、これはけっこう大変な労働量です。取材などが入れば、アポ取りやスケジュール調整など非常に大変です。
 ともかく毎月決まった仕事量を確保するのは難しく、特に「定期モノ」の仕事を確保するのは、新人ライターには非常に困難です。
 要するに「フリーライターで食べていく」というのは、非常に難しいことなのです。ある程度経験を積み、自著の単行本を数冊出版している…というようなベテランライターでも、年収が300万円程度…というのは、よくある話です。ライターを一生の仕事にする…というのは、私自身はあまりピンときません。
 やはり、当初は別に仕事を持っていないと難しいでしょう。そんな面から見ても、ライターというのは「副業」としてスタートするのが、最も合理的です。ライターの仕事だけでメシが食えると確信してから、専業になるべきです。

 ライターを志望する方には厳しい話ですが、ともかく頑張って下さい!





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